三重県亀山市関町に鎮座する延喜式内社の論社である関神社の紹介になります。御祭神は天照大御神他三十二柱。今でも宿場町の風情を色濃く残す「関宿」の中心近くに鎮座する神社になります。
神社情報
- 神社名:関神社
- 鎮座地:三重県亀山市関町木崎六七五番地
アクセス:JR西日本 関西本線「関駅」徒歩10分 │ 駐車場:◯
< 紹介した三重県に鎮座する神社一覧 >
御祭神
ポイント
関神社の社名が登場するのは明治四十二年(1909年)に関町内に鎮座する熊野皇大神社、笛吹神社、宇佐八幡宮、大井神社の四社を熊野皇大神社に合祀し、この時に社名を関神社に改称しています。しかし、御祭神を見てみると熊野皇大神社の御祭神は伊奘冉尊であった事から、ただ関神社に改称したのではなく、「全ての神社を合祀した上で新たに関神社を創建した。」または、合祀した際「現人神である天皇の皇祖神「天照大御神」を主祭神に変更した。」のどちらかかな?って思っています。ただ、同じく主祭神に名を連ねる「味内宿禰」はなぜに主祭神に名を連ねているのかは謎だったります。
配祀神
- 伊邪那美命
- 天太玉命
- 天手力男命
- 大山祇神
- 火之迦具土命
- 菅原道真
- 木花佐久夜比賣命
- 倭比賣命
- 生井神
- 石凝姥命
- 金山比古命
- 応神天皇
- 天兒屋根命
- 月夜見命
- 天津彦根命
- 活津比古根命
- 熊野久須毘命
- 多紀理比賣命
- 栄井神
- 市寸嶋比賣命
- 大己貴命
- 建速須佐之男命
- 白山比賣命
- 武内宿禰
- 保食神
- 大山咋命
- 宇迦之御魂命
- 天宇受賣命
- 天忍穂耳命
- 天穂日命
- 多岐津比賣命
ポイント
関神社の配祀神は三十一柱と非常に多くの神々を祀っている神社になります。明治政府による神社合祀令によって関地区に鎮座する神社が全て関神社に集結された結果になります。東海道と大和街道が合流・分岐する場所に設けられた関宿周辺は延喜式神名帳に記載された式内社が鎮座しているなど古くから多くの人が住み、それだけ神社が奉賛されてきたという証左でもあるかと思います。
ただ、「合理化の名の元では歴史は無視」という感じで延喜式内社の論社なども全て合祀してしまう強引な合祀は賛否が分かれるところかと思います。
合祀の流れ
関神社の合祀は一気に行われたわけではなく、段階的に進められています。まずは小社・祠などを熊野皇大神社、笛吹神社、宇佐八幡宮、大井神社の四社に合祀した上で最終的にこの四社を合祀しています。さすがに三十社以上の合祀は一気に進めることは難しかったのでしょうね。
- 宇佐八幡宮:明治四十年十月十三日合祀
- 久我字土山田鎮座 無格社:山神社
- 久我字高瀬鎮座 無格社:山神社
- 久我字白石鎮座 無格社:白石神社
- 久我字木俣谷鎮座 無格社:津島神社
- 久我字大谷鎮座 無格社:愛宕神社
- 熊野皇大神社:明治四十年十月二十三日合祀
- 木崎字藤鎮座 無格社:白山社、富士社
- 同 鎮座 無格社:日枝社
- 木崎字墓野尾鎮座 無格社:富士社
- 同 鎮座 無格社:天満社
- 木崎字北野鎮座 無格社:愛宕社、多賀社、須佐之男社
- 同 鎮座 無格社:愛宕社
- 同 鎮座 無格社:山神社
- 木崎字古河上鎮座 無格社:富士社
- 同 鎮座 無格社:須佐之男社
- 木崎字三日城鎮座 無格社:山神社
- 木崎字金剛寺鎮座 無格社:愛宕社
- 木崎字茶屋鎮座 無格社:津島社
- 同 鎮座 無格社:津島神社
- 笛吹神社:明治四十年十二月二日合祀
- 新所字東町鎮座 無格社:田中神社
- 新所字白山鎮座 無格社:金刀比羅神社、山神社
- 新所字権多羅鎮座 無格社:天御中主社、山神社
- 新所字会下垣内鎮座 無格社:山神社
- 新所字東町北鎮座 無格社:天神社、愛宕社
- 新所字西町北陳座 無格社:須佐之男社、稲荷社、山神社
- 新所字権現鎮座 無格社:冨士社
- 新所字芋ヶ平鎮座 無格社:山神社
- 新所字西畑鎮座 無格社:山神社
- 新所字八丁塚鎮座 無格社:弁天社
- 新所字東町北 無格社:須佐之男社
- 大井神社:明治四十一年二月九日合祀
- 古厩字片山鎮座 無格社:片山神社、蘭神社、愛宕神社、山神社
- 古厩字北畑鎮座 無格社:御井神社
- 古厩字宝路鎮座 無格社:大井神社、津島神社
- 笛吹神社:明治四十一年二月十日合祀
- 熊野皇大神社:明治四十一年二月十六日合祀
- 熊野皇大神社:明治四十二年七月二十三日合祀
社格等
- 延喜式神名帳:伊勢國鈴鹿郡 大井神社二座
- 延喜式神名帳:伊勢國鈴鹿郡 片山神社
- 国史見在社 :ー
- 近代社格制度:村社
式内社:片山神社
古厩字片山に鎮座していた片山神社は「延喜式内社:片山神社」の論社となっています。Google先生に「式内社 片山神社」を聞いてみると、鈴鹿峠の山中に鎮座する「片山神社」を教えてくれるので、合祀されたこちらの片山神社は中々検索で出てこないのですが、鎮座地の状況や「片山」という地名が残っているなどの点から有力な論社となっています。
式内社:大井神社
古厩字宝路に鎮座していた大井神社は「延喜式内社:大井神社」の論社となっています。御祭神は罔象女命・埴安姫命であるとするが、関神社の御祭神の中にこの二柱の神名は見当たりません。明治になり月夜見命と倭比賣命に定められたと鈴鹿関町史に記されています。
境内社
由緒・社歴
熊野皇大神社の創建は、鎌倉時代に亀山城を築城しこの地を収めた関実忠が紀伊國熊野座神社より分霊を勧請創建したとされ、境内にある梛の木はこの創建の縁によるものだと伝えられています。江戸時代には「熊野三所大権現」と呼ばれ、元和七年(1621年)修造、寛永十四年(1637年)、元文四年(17939年)にも修繕が行われています。
明治四十二年(1909年)に関町に鎮座する笛吹神社、宇佐八幡宮、大井神社を合祀し、社名を関神社に改称した。
- 創建:文永元年(1264年)頃か?
- 元和七年(1621年):修造
- 寛永十四年(1637年):修繕
- 元文四年(17939年):修繕
- 明治年中:村社に列格
- 明治四十二年七月:笛吹神社、宇佐八幡宮、大井神社を合祀
- 明治四十二年九月:関神社に改称
祭式
参拝記
国選定の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている旧東海道の宿場町である「関宿」の町並みの北側に鎮座しているのが今回紹介する「関神社」になります。関宿の鎮守の神様であったと思われる熊野皇大神社時代から明治政府による神社合祀令によって関町全体の鎮守社となっています。
関神社の境内は石垣を用いて周囲より一段高くなっているのが特徴で、石垣に沿って石造瑞垣が設けられています。境内入口には太鼓橋、石造灯籠一対、社号標、神明鳥居が据えられています。
鳥居越しに社殿を望みます。石段から真っ直ぐに社殿に向かって参道が伸びています。
合祀された神社に「白石神社」があります。この神社は関実忠につながるとする「平資盛」に縁があると伝わっています。
久我地区は平安時代末期、平清盛を筆頭に「おごる平氏」と言われるようなまさに平氏の天下だった嘉応二年(1170年)に起きた「殿下乗合事件」において当事者の一人である清盛の孫「平資盛」は伊勢国に配流され住んだ場所になります。配流は五~六年ほどだとされ、この間にこの地の娘との間に「盛国」という子をもうけたと伝わっている。
資盛が配流の時、父から賜った熊野産の白石三個を持参したが、この地に安置した所成長して大石になったので、後にこの石を御神体として祀ったのが白石神社の草創であると伝えられています。昭和十三年に発刊された「関町郷土誌」には白石神社の御祭神は「平資盛」であると記されているのですが関神社の御祭神の中にこの名前が無い所から他に主祭神が祀られていたのかもしれません。
ちなみに、盛国の子「実忠」は伊勢、伊賀に潜伏していた平氏残党が元久元年(1204年)に蜂起した「三日平氏の乱」で功をあげ伊勢鈴鹿郡関谷の地頭職を与えられ、関氏を称する様になり「関氏の始祖」であるとされる。
- 亀山市: 20社鎮座 紹介14社目 14/20
- 三重県:815社鎮座 紹介22社目 22/815
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切妻銅板葺木造四本柱タイプの手水舎になります。
石段を登った先に据えられている石造明神鳥居の二の鳥居になります。
大正期から昭和期の生まれと思われる狛犬一対になります。
狛犬の特徴
全国に一万社以上が鎮座する神社のその大半に据えられている「狛犬」。狛犬は邪気を祓い、神前を守護していると考えられています。その為、拝殿の前、参道、境内入口など要所に左右一対で据えられています。
神道には「神様から見て左側(神前向かって右側)が上位」という思想があり、祭式作法、神社様式など神社に関わるほぼ全てがこの思想の影響を受けています。
狛犬もこの思想を色濃く反映されていて、向かって右側に口を開いた阿像、向かって左側に口を閉じた吽像が据えられています。口を開いたり口を閉じたりしているのは、阿吽は、インゴのサンスクリット語の最初の音「ア」と最後の音「ウン」を発音した時の口の形を表しているとも言われ、「宇宙の最初と最後」を意味しているとも。この事から、「ア」を表現している阿像が上位としている訳です。
切妻造瓦葺平入の高覧のある濡れ縁と向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。
- 本殿:神明造(千木:内削ぎ・鰹木:四本)
- 神門;ー
- 幣殿:ー
- 拝殿:◯(平入、向拝あり、濡縁あり)
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