三重県鈴鹿市和泉町に鎮座する延喜式内社「川俣神社」の論社の一社である川俣神社の紹介です。鈴鹿川に沿うように「川俣神社」が複数鎮座しており、川に沿って古くから人々が住み着いていた地域になるかと思います。御祭神は大穴牟遅命。
神社情報
- 神社名:川俣神社
- 鎮座地:三重県鈴鹿市和泉町二一三番地
アクセス:JR東海 関西本線「井田川駅」徒歩19分 │ 駐車場:×
< 紹介した三重県に鎮座する神社一覧 >
御祭神
配祀神
- 市杵島比売命
- 久那斗神
- 八衢比古神
- 八衢比売神
- 道反大神
ポイント
大穴牟遅命は古事記での神名で、一般的に知られている名前は日本書紀での神名である「大国主命」でしょうか。大国主命といえば「出雲大社」の御祭神であり島根県から鳥取県にかけて所縁の場所が点在している「国津神」の筆頭神です。日本昔ばなしの「因幡の白うさぎ」で鰐を騙して海を渡ろうとして皮を剥がれたウサギを助ける大国主命として有名ですね。
実は、自分が小学一年生の時、学芸会(クラス毎に演劇などの出し物を発表する学校行事)でのクラスの出し物が「因幡の白うさぎ」の演劇でした。しかも!、自分は主役である大国主の役だったりします。今思えば、その頃から神様を意識していた・・・訳はありませんな。
配祀神は同じ和泉に鎮座していた神社の御祭神になります。
- 大字和泉鎮座:江神社(御祭神:一杵島比売命)
- 大字和泉鎮座:山神社(御祭神:久那斗神、八衢比古神、八衢比売神)
- 大字和泉鎮座:社護神(御祭神:道反大神)
社格等
- 延喜式神名帳:伊勢國鈴鹿郡 川俣神社
- 国史見在社 :ー
- 近代社格制度:村社
境内社
由緒・社歴
創建については不詳ですが、鈴鹿川と安楽川が合流する所に鎮座している事から「川俣神社」と称されるという。江戸時代に書かれた書物などでは「八王子社」と呼ばれていた。(が、現在の御祭神を見る限りでは「八王子」に関連する神は祀られていませんね。)
舟井山泉福寺が別当を江戸時代まで務めていた。現在は泉福寺の境内には和泉町公民館が建っています。
- 創建:不詳
- 合祀:明治四十一年(1908年)四月
- 分祀:昭和二十三年(1948年)十一月二十一日
- 創建:不詳
- 江戸時代には「八王子社」と称す。
- 明治六年:村社に列格。
- 明治四十一年:井田川村各地に鎮座する神社を合祀。
- 昭和二十六年:各村の氏子の総意により分祀。
鈴鹿郡井田川村:川俣神社
明治四十一年に井田川村内の神社を大字和泉に鎮座する「川俣神社」に合祀したが、昭和二十三年に各地区に分祀した神社は下記の通り
- 旧和泉村:川俣神社(御祭神:大穴牟遅命)
- 旧海善寺村:若一大神社(御祭神:正哉吾勝勝速日天忍穂耳命)
- 旧川合村:須佐之男神社(御祭神:建速須佐之男命)
- 旧小田村:大御寶神社(御祭神:建速須佐之男命)
- 旧西富田村:川俣神社(御祭神:多紀理毘売命)
- 旧中富田村:川俣神社(御祭神:大毘古命)
- 旧和田村:和田神社(御祭神:建速須佐之男命)
- 旧井尻村:神明社(御祭神:天照大御神)
明治時代に行われた神社合祀を太平洋戦争後まさに否定するかのように井田川村を構成した旧八ヶ村に分祀が行われているのが非常に印象に残ります。地元の総意からいかにかけ離れた神社合祀だったのかがここからも判りますね。
祭式
参拝記
鈴鹿川を渡河する県道641号線の平和橋の北詰近くに今回紹介する川俣神社は鎮座しています。和泉町は鈴鹿川と安楽川合流する中洲の様な場所にあって昔からの集落は一段高くなった高台部分にあり、川俣神社はその東端(川の合流地点側)に鎮座しています。
延喜式内社である川俣神社の論社は六社にものぼっています。「川俣」がどこを指すのかは不明である為、鈴鹿川に沿った「川俣」の意に近い伝承を持つ神社が亀山市・鈴鹿市の各地に誕生することになったという。
川俣神社・論社(鈴鹿川上流より)
式内社尊重の風潮から江戸時代から式内を称する様になったと考えられる事から、この六社のうち、加太板屋、西富田、中富田に鎮座する三社が式内社として有力視されているが治定まではされていない様です。
- 鈴鹿市: 67社鎮座 紹介2社目 【2/67】
- 三重県:815社鎮座 紹介4社目 【4/815】
< 紹介した三重県に鎮座する神社一覧 >
延喜式内が合わせて彫られた社号標と手水社、石造灯籠二対、石造神明鳥居が据えられた境内入口になります。境内の南側は鈴鹿川の堤防となっている為、北入りの境内となっているのが特徴かと思います。
銅板葺木造二本柱タイプの非常に小ぶりな水盤な手水社になります。
境内入口は和泉町の低地部分にあって、社殿は高台部分にあるのでこうして社殿に向かう石段が設けられています。
昭和生まれと思われる狛犬一対になります。
狛犬の特徴
全国に一万社以上が鎮座する神社のその大半に据えられている「狛犬」。狛犬は邪気を祓い、神前を守護していると考えられています。その為、拝殿の前、参道、境内入口など要所に左右一対で据えられています。
神道には「神様から見て左側(神前向かって右側)が上位」という思想があり、祭式作法、神社様式など神社に関わるほぼ全てがこの思想の影響を受けています。
狛犬もこの思想を色濃く反映されていて、向かって右側に口を開いた阿像、向かって左側に口を閉じた吽像が据えられています。口を開いたり口を閉じたりしているのは、阿吽は、インゴのサンスクリット語の最初の音「ア」と最後の音「ウン」を発音した時の口の形を表しているとも言われ、「宇宙の最初と最後」を意味しているとも。この事から、「ア」を表現している阿像が上位としている訳です。
切妻瓦葺平入に入母屋破風の向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。本殿は神明造となっています。
境内の一角に集落内に祀られていたと思われる石碑が祀られていました。
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