鈴鹿市

夜夫多神社:三重県鈴鹿市甲斐町 延喜式内社

 三重県鈴鹿市甲斐町に鎮座する延喜式内社である夜夫多神社の紹介です。御祭神は大穴牟遅命。詳細は不詳ですが、江戸時代の頃は八王子社または薮田神社と呼ばれていました。馬の砂掛けと呼ばれる奇祭が祈年祭に置いて行われています。

神社情報

  • 神社名:夜夫多神社
  • 鎮座地:三重県鈴鹿市甲斐町一一八四番地

アクセス:三重交通「算所バス停」徒歩24分 │ 駐車場:ー

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御祭神

配祀神

  • 天児屋根命
  • 大雀命
  • 建速須佐之男命
  • 大山津見神
  • 護国の英霊

大穴牟遅命とは

 大国主神の別名の一つ。大は美称、牟遅は貴人の意とされる。偉大な洞穴の神、火山の噴火口の神、偉大な鉄穴(穴には鉄という意味もある)の貴人という神名であるとする説がある。または、土地を開拓した土地神であるとも。
 古事記においては和邇に毛皮を剥がれた稲羽の白兎を助け八上比売を妻とすることを予告されると兄の八十神たちの反感を買ってしまい、火で焼いた大きな石を猪と欺かれ、その下敷きとなり死に、続いて大樹に挟まれてしんでしまうが、その都度神々の恩恵で蘇生されています。その後根の国に赴き、建速須佐之男命の娘「須世理美売」を妻として、その国を逃げ出した。建速須佐之男命は八十神を追い払い、大国主神・宇都志国主神となることを告げた。と書かれており、これ以降は大国主神の名で登場する。

社格等

  • 延喜式神名帳:伊勢国河曲郡 夜夫多神社
  • 国史見在社 :ー
  • 近代社格制度:村社

境内社

由緒・社歴

 詳細は不詳。
 宝暦九年の上進神社記に「甲斐村八王子社 延喜式内 薮田神社・・・」と記されており、八王子社または薮田神社と称されていた。
 明治四年、村社に列格。明治三十九年、神饌幣帛料供進社に指定される。同年、境内社の津島神社・山神社を合祀した。

  • 創建:不詳
  • 江戸時代:八王子社、薮田神社と称す
  • 明治四年:村社に列格
  • 明治三十九年:神饌幣帛料供進社に指定される
  • 明治三十九年:境内社を合祀

祭式

  • 例大祭:未確認
  • 祈年祭:未確認
  • 新嘗祭:未確認

参拝記

 県道27号線、鈴鹿川を渡河する「定五郎橋」の南詰近くにある甲斐町の集落の中に今回紹介する夜夫多神社は鎮座しています。境内南側には公民館と公園が併設されているのですが、駐車場が見当たらない(公園に駐車できそうですが、普段は車止めが設置されています。)ので注意が必要です。

 夜夫多神社は東入りの境内で東向きの社殿という様式となっています。境内入口の左右には住宅があり、宅地の間を参道が通り抜けている感じになっています。参道入口には幟ポール、幟立石、社号標、神明鳥居が据えられています。参道の幅が狭い事もあって鳥居が非常にコンパクトな感じになっていますね。

 延喜式内 と合わせて彫られた社号標になります。あ、ちなみに夜夫多神社とかいて「やぶた神社」と読むようです(最初読めませんでした・・・。)。

 参道を進み、灯篭一対と二の鳥居となる明神鳥居が据えられた境内入口にたどり着きます。その脇には

 銅板葺き木造支え柱が設けらえた二本柱タイプの手水舎になります。こちらの手水舎の屋根形状が他ではまず見かけないだろう唐破風の様な造りとなっているのが特徴ですね。

毎年二月の第二日曜日にはこの年の豊作豊穣を祈願する祈年祭が執り行われます。夜夫多神社の祈年祭においては「馬の砂掛け」と呼ばれる記載が執り行われています。境内に2トンの砂を運び入れ、この砂を水田に見立てて昔ながらの田起こしから田植えまでを再現しています。張りぼての馬に砂をかけて馬が倒れるとこの年は豊作だと伝えらているんだとか。

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 全体の造形から昭和期生れの狛犬かと思われます。

狛犬の特徴

 全国に一万社以上が鎮座する神社のその大半に据えられている「狛犬」。狛犬は邪気を祓い、神前を守護していると考えられています。その為、拝殿の前、参道、境内入口など要所に左右一対で据えられています。

 神道には「神様から見て左側(神前向かって右側)が上位」という思想があり、祭式作法、神社様式など神社に関わるほぼ全てがこの思想の影響を受けています。

 狛犬もこの思想を色濃く反映されていて、向かって右側に口を開いた阿像、向かって左側に口を閉じた吽像が据えられています。口を開いたり口を閉じたりしているのは、阿吽は、インゴのサンスクリット語の最初の音「ア」と最後の音「ウン」を発音した時の口の形を表しているとも言われ、「宇宙の最初と最後」を意味しているとも。この事から、「ア」を表現している阿像が上位としている訳です。

 入母屋造瓦葺平入の切妻破風の向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。

  • 本殿:神明造(千木:内削ぎ・鰹木:六本)
  • 神門:ー
  • 幣殿:○
  • 拝殿:入母屋造瓦葺平入(向拝:○、濡縁:ー)

 本殿を囲む瑞垣の傍らに山神の石塔が四基据えられていました。

 境内に在る常夜燈と大神宮遥拝所になります。特に、常夜燈に設けられた石段が愛知県では殆ど見た記憶がないくらいしっかりと設置されています。常夜燈といえば、愛知県ではその多くが火伏の神である秋葉山を祀る秋葉常夜燈なのですが、三重県は神宮常夜燈が主になるのかなあ。このあたりも少し確認していきたいと思います。

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