鈴鹿市

貴志神社:三重県鈴鹿市岸岡町 延喜式内社

三重県鈴鹿市岸岡町に鎮座する延喜式内社である貴志神社の紹介です。御祭神は伊邪那美命と伊邪那岐命。創建由緒は不詳ですが、貴志神社が鎮座する丘陵には古墳跡があり、戦国時代には城郭が築かれるなどこの地域の中心となる場所であったと思われます。

神社情報

  • 神社名:貴志神社
  • 鎮座地:三重県鈴鹿市岸岡町二八一一番地

アクセス:近畿日本鉄道 名古屋線「千代崎駅」徒歩3分 │ 駐車場:◯

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御祭神

配祀神

  • 菊理姫命

ポイント

 元々ば熊野権現と呼ばれていたが宝暦九年に貴志神社と改称したとされ、御祭神も熊野権現の”伊邪那美命”、”伊邪那岐命”を御祭神であるとしています。「天細女命」を御祭神する資料もあったが、現在ではその神名は挙げられていません。

  • 伊邪那岐命・伊邪那美命
    • 神代七代の最後に登場する神であり、国産み・神生みの詔を受け、日本の創世に大きく寄与する神として描かれている。
    • 伊邪那美命は迦具土命を産む際の火傷によって黄泉の国に行ってしまう。
    • 伊邪那岐命は伊邪那美命を追い黄泉の国に行くがその姿を見た後黄泉の国から逃げ帰った。その時の穢れを流す「禊」の中で三貴神である天照大御神・月読命・建速須佐之男命を生み、淡路島に鎮まっています。

社格等

  • 延喜式神名帳:伊勢国河曲郡 貴志神社
  • 国史見在社 :ー
  • 近代社格制度:村社

境内社

  • 伊奈利神社

由緒・社歴

 創建は不詳。
 境内地は標高45.3m、南北1500mにわたる丘陵(岸岡と呼ぶ)に鎮座しており、数多くの古代遺跡の存在が確認されており、また中世には岸岡城が築城されるなど、古くから人々が住み、この地に産土神として祀られていた神社ではないかと思われる。
 延宝四年、元禄十一年、宝永七年の造営記録(棟札)が現存する。

  • 創建:不詳
  • 明治五年:村社に列格
  • 明治三十九年:神饌幣帛料供進指定社

祭式

  • 例大祭:未確認
  • 祈年祭:未確認
  • 新嘗祭:未確認

参拝記

 今回紹介する貴志神社は近鉄名古屋線「千代崎駅」からほど近い住宅地の中、すずか幼稚園の隣に鎮座しています。由緒にも書いていますが、貴志神社が鎮座する場所は岸岡とよばれる丘陵の北端に位置していて、住宅地の中心にある「岸岡山緑地」として緑地保護されている場所でもあるようです。また、近くに戦国時代の頃には岸岡城が築かれており神戸氏の家臣である佐藤氏の居城だったようです。(佐藤氏は神戸氏と六角氏との戦いの最中、神戸氏を裏切り神戸城に六角軍を招き入れるがその後神戸氏に奪還され、その際、佐藤氏は捕らえられ殺害されています。)
 また、古墳も確認されており、古墳時代からこの丘陵は人々が集っていた場所だったようです。

 貴志神社の境内入口には式内が合わせてほられた社号標と幟立石が据えられています。参道脇の建物はこの地区の集会場です。

 社殿が鎮座する境内に真っ直ぐ伸びる参道と石造神明鳥居になります。

 参道脇に置かれていた「力石」になります。密かに持ってみましたがまったくびくともしませんでした・・・。

 瓦葺木造と石造ハイブリッド構造の四本柱タイプの手水舎になります。連続して鈴鹿市に鎮座する神社の記事を書いていますが、石材の柱を使っている手水舎を紹介する事が多いような気がします。

 貴志神社には”獅子頭”についての言い伝えが残っていて、「金銅の獅子頭を社殿の下土深くに埋め納めたことから、他社の獅子頭がこの地を通る時は必ず頭を低く拝礼して通った。」とし、古来より獅子頭を信仰の対象とし、祀っていた事がうかがえます。

  • 鈴鹿市: 67社鎮座 紹介: 34社目 
  • 三重県:815社鎮座 紹介: 54社目

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 大正期から昭和期にかけての生まれと思われる狛犬になります。

 社殿前鎮座する平成生まれと思われる狛犬一対になります。

 両狛犬とも岡崎型と呼ばれる狛犬になると思います。両狛犬とも個人的に非常にバランスの取れた造りになっていると思います。

狛犬の特徴

 全国に一万社以上が鎮座する神社のその大半に据えられている「狛犬」。狛犬は邪気を祓い、神前を守護していると考えられています。その為、拝殿の前、参道、境内入口など要所に左右一対で据えられています。

 神道には「神様から見て左側(神前向かって右側)が上位」という思想があり、祭式作法、神社様式など神社に関わるほぼ全てがこの思想の影響を受けています。

 狛犬もこの思想を色濃く反映されていて、向かって右側に口を開いた阿像、向かって左側に口を閉じた吽像が据えられています。口を開いたり口を閉じたりしているのは、阿吽は、インゴのサンスクリット語の最初の音「ア」と最後の音「ウン」を発音した時の口の形を表しているとも言われ、「宇宙の最初と最後」を意味しているとも。この事から、「ア」を表現している阿像が上位としている訳です。

 入母屋造瓦葺平入の切妻破風の向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。確か既に紹介した神社の記事の中で雨戸の戸袋が設けられた拝殿は珍しいとか書いた記憶がありますが・・・ここ貴志神社の拝殿は近代的なアルミ製の雨戸がしっかりと閉められていました。

 本殿は神明造となっています。本殿を囲む瑞垣の脇に境内社である伊奈利神社の流造の社が鎮座しています。本殿は挟んだ反対側には「白龍」と彫られた石碑が据えられていました。

  • 本殿:神明造(千木:内削ぎ・鰹木:五本)
  • 神門:×
  • 幣殿:○
  • 拝殿:入母屋造瓦葺平入(向拝:○、濡縁:×)

 これまで紹介してきた物とは少し造りが異なっていて、全体を覆うステンレスorアルミ製の蓋が設置された、相変わらず使用目的が不明な構造物です。お焚き上げが何かに使用するとは思っているのですが・・・。

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